17日のECB理事会での利下げ観測が高まると、欧州通貨の上値は重たい状態が続いた
欧州中央銀行(ECB)は12日の理事会で利下げを決めるのはほぼ確実だが、その先の動き方はまだはっきりしていない。写真はフランクフルトのECB前で7月撮影(2024年 ロイター/Jana Rodenbusch)

2024/10/16

【米国】欧州株式市場の下落に伴うリスク回避のドル売りが優勢となった

為替(2024年10月16日  6時00分)
米ドル円          USD/JPY   149.19 (円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.0891  (米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   162.49   (円)
ポンド円          GBP/JPY   195.04  (円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.3073  (米ドル)

 
10月15日のニューヨーク外国為替市場は、欧州株式相場の下落に伴うリスク回避のドル売りが優勢となった。10月独NEW景況感指数(予想:10.0、結果:13.1)やユーロ圏鉱工業生産(予想:1.7%、結果:1.8%)が予想を上回った事で、ユーロ買いが優勢となったものの、ECB理事会での利下げ観測が高まっていることもあり、欧州通貨の上値は重たい状態が続いた。
 
米ドル円は、欧州株相場の下落などを背景にリスク回避の円買い・ドル売りが出ると、欧州市場序盤に148.85円と日通し安値を付けた。ただ米利下げペースが緩やかになるとの観測が高まる中で、対ユーロなどでドル買いが進んだ影響を受け、26時30分前には149.54円まで下げ渋った。もっとも、この日発表の10月米NY連銀製造業景気指数が予想を大幅に下回ったことや、日米株価指数の下落が相場の重しとなったため、戻りも限定的だった。
 
ユーロドルは、欧州時間発表の10月独NEW景況感指数や8月ユーロ圏工業生産が予想を上回る結果となると、ユーロ買い・ドル売りが進行した。低調な米経済指標や米10年債利回りの低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入ったことで一時1.0917ドルと日通し高値を付けた。ただ、前日の高値1.0942ドルが目先のレジスタンスとして意識されると失速し、欧州株下落に伴うユーロ売り・ドル買いも出て1.0882ドルまで下押した。
 
株式
NYダウ平均       USD   42,752.51        -312.72(-0.72%)
NASDAQ総合    USD   18,322.05        -181.07(-0.97%)
S&P500             USD     5,817.86          -42.85(-0.73%)

株式市場では、オランダの半導体製造装置メーカーのASMLホールディングスが発表した決算が低調な内容となったことを受けて同社株が急落すると、半導体関連銘柄に売りが波及し相場を押し下げた。なお、決算は誤って予定よりも1日早くウェブサイトに掲載されたことがサプライズとなった。
 
債券・商品先物
米国債10年                              4.036%     (-0.090)
NY原油(WTI)     USD/バレル   71.06         (-1.26%)
NY金(COMEX)  USD/オンス   2,679.4      (+0.51%)
 

【日本】ECB理事会での追加利下げ観測が高まっていることで、欧州通貨の上値が重たい状態が続いた

 
為替(17時)
10月15日の東京外国為替市場は、日経平均株価が4万円台を回復する動きを確認すると、やや円売りが優勢となるも、クロス円に大きな影響はなかった。上海総合指数など中国株の下げが目立ったことで、リスク・オフの円買いが優勢となり全般で円買いが優勢となった。17日のECB理事会での追加利下げ観測が高まっていることで欧州通貨に売りも入りやすかった。
 
米ドル円は、時間外の米10年債利回りが先週末よりもやや下回って推移したことを受けて、ドル円は上値が重たい展開となった。10時台には149.43円まで下押したが、日経平均株価が再び4万円台に乗せて上値を広げる動きを確認すると、13時台には149.75円まで買い戻された。ただその後は、日経平均株価が上げ幅を縮小したことや、上海総合指数など中国株が下げ幅を広げた事で、149.16円まで下押した。
 
ユーロドルは、小幅なレンジでのもみ合いが続いたが、17日のECB理事会での追加利下げ観測が高まりつつあることで、15時過ぎには1.0884ドルまで下押した。ただ、8月8日に付けた直近安値の1.0882ドルがサポートとして意識されると下げ渋った。
 
ユーロ円は、日経平均株価が大幅高となり4万円台に乗せる場面もあったが、クロス円の反応は限られた。後場になると中国株の下落やユーロドルの下落に連れて、16時台には一時162.41円まで下押した。その後は下げ渋ったが上値は重たかった。
 
債券
日本国債10年   0.970%     (+0.027)

おすすめの記事