円売り加速、米10年債利回り上昇と日銀の早期利上げ期待後退が影響

2024年10月24日

米国大統領選を前に、トランプ前大統領が有利との見方が強まり、米10年債利回りが上昇したことで、円売りが加速しました。

為替レート(2024年10月24日 6時00分):

  • 米ドル/円 (USD/JPY) 152.74円
  • ユーロ/米ドル (EUR/USD) 1.0780ドル
  • ユーロ/円 (EUR/JPY) 164.68円
  • ポンド/円 (GBP/JPY) 193.37円
  • ポンド/米ドル (GBP/USD) 1.2920ドル

10月23日のニューヨーク外国為替市場では、11月の米大統領選挙でトランプ前大統領の優位が強調される中、米10年債利回りが4.260%に達し、ドル買いが優勢となりました。FRBは同日に発表したベージュブックで「米経済活動はほぼ全地域で横ばい」「2地域でわずかに上昇したが、ほとんどの地域では製造業が縮小している」と指摘しました。

米ドル円は一時4.260%に達した米10年債利回りを背景にドル買いが進み、21時台には153.18円の高値を記録しました。しかし、153円台では利益確定を狙った売りも多く見られ、伸び悩みました。NYダウ平均やナイト・セッションの日経平均先物の下落も相場の重しとなりました。

ユーロドルでは、米国の利下げ期待が後退する一方、ユーロ圏の経済を支えるためにECBが12月に大幅な利下げを実施するとの見方が広がり、ユーロ売り・ドル買いが優勢に。21時台には1.0760ドルの安値を付けましたが、米10年債利回りの上昇が一服すると1.0786ドルまで持ち直しました。

株式市場

  • NYダウ平均: 42,508.92ドル (-416.49, -0.97%)
  • NASDAQ総合: 18,277.41ドル (-294.76, -1.58%)
  • S&P500: 5,797.58ドル (-53.50, -0.91%)

株式市場では、米10年債利回りの上昇が株式の相対的な割高感を意識させ、NYダウ平均は一時600ドルを超える下落を記録しました。マクドナルドやアップル、コカ・コーラ、ボーイングなど、特定の材料で大きく売られる銘柄が目立ちました。ハイテク株比率の高いナスダックは6営業日ぶりに反落し、利益確定を狙った売りが優勢となりました。

債券・商品先物市場

  • 米国債10年: 4.248% (+0.038)
  • NY原油(WTI): 71.49ドル/バレル (-0.39%)
  • NY金(COMEX): 2,729.0ドル/オンス (-1.23%)

日本市場

日銀の早期利上げ期待後退や衆議院選での与党苦戦に関する思惑から円売りが進行しました。

為替レート(17時): 10月23日の東京外国為替市場では、米国の利下げ期待が後退し、日銀の早期利上げ観測も低下したことから、円売り・ドル買いが進みました。「27日の衆議院選における自民・公明与党の苦戦が予想され、政局不安が高まる中で日銀が利上げを行いづらいのでは」との見方が円売りを加速させました。日経平均株価は一時1,000円超の大幅安となりました。

米ドル円は、米国の利下げ期待後退と日銀の早期利上げ観測低下を背景に円売り・ドル買いが先行し、200日移動平均線を上抜けて買いが進行しました。米10年債利回りが4.22%台に上昇したことも支えとなり、その後4.24%台まで上昇し、152.55円まで上値を伸ばしました。

ユーロドルは、ドル円とユーロ円の上昇に挟まれ、小幅な揉み合いからスタート。ユーロ円の上昇が続き、1.0806ドルまで上昇しましたが、円相場の主導となり、買いの勢いは限定的でした。その後、ECB当局者が「経済活動を刺激するための金利引き下げの必要性について議論を始める」との発言が相場の重しとなり、1.0780ドルまで下押ししました。

ユーロ円は、ドル円の上昇に伴いユーロ買い・円売りが先行し、164.55円まで上昇しました。しかし、ECBが追加利下げについて議論を始めるとの情報が流れ、ユーロドルの下落が重しとなり、その後は上値が重くなり揉み合いが続きました。

債券

  • 日本国債10年: 0.980% (±0)

主要市場イベント

  • 24日: 米国 新築住宅販売件数
  • 25日: 米国 耐久財受注、カナダ 小売売上高
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